以前通っていた製本教室の展覧会用に作った宮沢賢の三冊です。
展覧会なので、かなり気合い入れて作りました。
中身は、青空文庫でダウンロードして、挿絵は自分で描きました。挿絵は、トレーシングペーパーにALPUSのマイクロドライプリンターでプリントしたものです。色んな素材にプリントできるスグレモノで、当時はかなり愛用していました。トレーシングペーパーなので、下の文字が透けて見えます。
タイトルは、表紙に直接プリントせず、革製のストラップのようなものにプリントゴッコでプリントしました。このストラップのひもがしおりになるようになっています。
表紙のワンポイントの絵柄も、プリントゴッコを用いたものです。
かれこれ10年ほど前に作った本です。当時は自分の時間がいっぱいあって、そのほとんどを製本に費やしていました。ALPUSのプリンターもプリントゴッコも、自分の作りたいものを形にしてくれる素晴らしいツールでしたが、どちらもすでに製造中止となっています。
「手間」と「暇」と「技術」を必要とするこれらのツール達は確かに時代遅れとなってしまったことは分かります。その代わりに今私の手元にあるiPhoneに、なくなってしまったツールの替わりが務まるのか、その可能性を模索中です。